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D-REPORT GUIDANCE

受診時には
必ず低血糖の問診を

福田 正博 ふくだ まさひろ

ふくだ内科クリニック院長(大阪府)
日本臨床内科医会 常任理事
全国臨床糖尿病医会 理事

低血糖に対する問診は、どのようにされていますか(確認は毎受診時にされるのでしょうか)。また対処法などを教えてください。

 低血糖に関する問診はインスリンやSU薬を処方している方には必ず受診時に行っています。その際は「低血糖がありましたか」ということではなく、必ず具体的に症状を聞くようにしていますが、低血糖症状は非定型な症状が多いので、特に高齢者では注意が必要です。日本臨床内科医会の全国調査によると、低血糖症状としては「冷汗」を除き、「強い空腹感」「ボーッとした感じ」「ふらつき」「眼のちらつき」「からだのだるさ」という漠然とした症状が上位を占めていました。またそれ以外にも「えっ」と思うような症状を呈することがあるので、低血糖が起こりやすい空腹時等に、なにかしら症状を訴えた場合には、低血糖を疑いブドウ糖の摂取を勧め、その症状が改善するかどうか確認してもらうようにしています。
 また同調査では、主治医が思っているほど患者さんは低血糖への備えができておらず、SU薬服用患者の48%がブドウ糖を携行していないことが明らかになりました。ぜひ通院中の糖尿病患者さんに、いま一度ブドウ糖の携行の確認をお勧めします。