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糖尿病のクスリ

ブドウ糖の体内での流れと
糖尿病治療薬一覧

監 修
日本糖尿病療養指導士
厚田 幸一郎 あつだ こういちろう

北里大学薬学部教授
北里大学病院薬剤部長

日本糖尿病療養指導士
佐竹 正子 さたけ まさこ

薬局 恵比寿ファーマシー
管理薬剤師

1

ご飯やパン、いも類など糖質(炭水化物)は、小腸で「ブドウ糖」に分解され、血管に吸収されます。そして血糖値(血液中の「ブドウ糖」濃度)が上昇します。

2

インスリンの働きで肝臓や筋肉、脂肪組織へ「ブドウ糖」を取り込み、エネルギー源として利用・貯蔵します。
*糖尿病の人はインスリンの働きが悪くなり「ブドウ糖」が取り込まれにくくなります(インスリン抵抗性の増大)。

3

血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌され、血液中の「ブドウ糖」を肝臓や筋肉、脂肪組織へ取り込み、血糖値が低下します。

4

小腸に「ブドウ糖」が入るとインクレチンが分泌され膵臓に働き、インスリンの分泌を増やします。インクレチン(GIP、GLP-1など)は、酵素「DPP-4」により分解されます。

5

「ブドウ糖」は腎臓の糸球体で血液中からろ過されて尿の原液(原尿)に含まれ、その後、尿細管内でSGLT2により血液中に再吸収されます。「ブドウ糖」が尿中に排泄される血糖値の閾値(敷居の高さ)は約180mg/dLです。
*糖尿病の人は原尿中の「ブドウ糖」が多いため、再吸収の容量を超えて、一部の「ブドウ糖」は尿中に排泄されます。