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ナースの目

転校生からのお便り

日本糖尿病療養指導士
竹澤 直美 たけさわ なおみ

元土井内科医院看護師長
糖尿病療養指導歴11年

 永く通院していただいて治療を続けていても、やむなく転院しなければならない事情が出てくる患者さんがいらっしゃいます。たとえば、1型糖尿病の患者さんで妊娠希望の場合、あるいはご自身の診療の兼ね合いで総合病院各科の診察を希望されている場合など、さまざまな事情で転院されていきます。
 その後、転院された方がたにお便りを差しあげることがあります。必要項目に記入していただく以外に欄外に「先生やスタッフの方々のお蔭でいまの自分があります。現在ほど多くのインスリン製剤やお薬の種類が豊富でなかったころでも、合併症を進行させることなく今日までくることができ無事に出産できました」。という言葉が添えられていたり、また、ある方は「食事療法が苦手でも運動療法が得意なことをほめていただき、長期にわたる治療を継続させることができました。自分の体は自分が主治医だと、日頃の先生の言葉をいまも考え、できることを実行しています」。
 こんな言葉が書き添えられています。転院されても、それぞれの病院での真摯な治療の様子が伺えて、心が暖かくなります。
 院長が診察室で患者さんにかけていた言葉「健康は守るものではなく、作るもの」その言葉がここに生きているのだと改めて感じます。
 糖尿病は自覚症状を感じるころには合併症が進行しています。治療を中断することなく、継続して治療する大切さをこれからも伝えていきたいと思います。