Home>バックナンバー>2015秋号TOP>施設紹介レポート

 高齢化に伴い、今後も糖尿病患者の増加が予測される。これからの糖尿病治療は、地域の医療連携をどう進めるかが重要なキーになるのではないだろうか。
 横山先生は、半年から年に一回程度、糖尿病専門医の立場から、近隣の実地医家にアドバイスを行っている。普段は地元のかかりつけ医に通う患者に、専門的な見地から治療方針や処方薬、インスリン単位など、ソフト面の助言をし、地元のかかりつけ医のもとへ返す。糖尿病専門医の多くは、このような医療連携を歓迎しているが、実地医家の理解はまだまだ広がっていない。
 「大都市では、糖尿病専門医もたくさんいますし、医師同士、病院同士の競争も激しい。その緊張感が、全体のレベルアップにもつながっていると思います。一方、地方では実地医家同士で、患者さんを紹介し合うことが、まだ多いとはいえません。『普段は自分が診るけれど、たまには専門性の高い先生に診てほしい』などといった形で、医療連携が広まっていけばいいと思います」(横山先生)。
 地域全体で患者を診るということが、ひいては治療継続のための取り組みになるのではないだろうか。
 最後に、厚生労働省の研究班が平成27年5月に発表した「糖尿病受診中断対策マニュアル」も参考にしたい

1. 菅原薫 他,糖尿病47:313-318,2004.

2. 福永恵 他,日本人間ドック学会誌 12(2), 115-118, 1997.

3. 横田友紀 他,糖尿病50(12):883-886, 2007

4. 山田幸男 他,プラクティス10:426-431,1993

5. Norris S,al: Diabetes Care24:561-587,2001

6. Glasgow RE,Anderson RM,Diabetes Care 22:2090-2092,1999.