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[患者指導と治療の経過](カード型パス-②を使用)

①病気や病状に関しての把握
1)糖尿病の一般的な知識を来院のたびにCDEJから提供。
2)現在の自己の病状について指導の都度説明した。
3)合併症や大血管障害のリスクについて(肥満・IMT・脂質異常等)説明。
4)SMBGを開始。
患者とのかかわりのなかで、高血糖状態を認識するためにSMBGによって自分の行動の変化と血糖値の変化を知ることは、行動変化の動機づけや励みとなると考えられた。SMBGを開始し、食事量・内容や運動など生活のなかでの血糖値の変動を理解させた。
②生活指導
1)生活習慣の問題点や行動目標を患者とともに検討。
2)実施できること、できないことを明確にした。
3)次回受診までに2~3日分の食事記録をとり持参するよう指導。
4)初回は加糖飲料などの制限にとどめ、食事内容の指導は、患者の受け入れ状態を確認しながら行った。
③指導後の変化
1)加糖飲料はただちにやめ、お茶にした。
2)間食は職場で出されるためゼロにはできなかったが、甘くない物を選ぶようになった。
3)SMBGの結果を見て、自分で努力すれば空腹時血糖が100㎎/dL台になることも知った。
4)目標体重を設定できるようになった(3か月で5Kg減をめざす)。
5)一人暮らしをやめて両親と同居し、朝食と夕食を母親に作ってもらうようになった。

[まとめ]

 知識を習得しSMBGによって血糖が変動することを理解し、多くの行動変容ができた。薬物介入なしで良好なコントロールが維持できているが、今後社会的背景や心理状況によって変化する可能性があるため、定期的なかかわりが必要と思われる。なお、現在も受診ごとの問診時に自己管理状況を確認している。