Home>バックナンバー>2014秋号TOP>症例から学ぶ

①病状や心理状態に関しての把握

■Sさんの心理状況の変化

②生活指導

●パートをはじめてから活動量が増えた。●コントロールの改善に伴い低血糖の知識やその対応の指導。またシックデイルールについての指導を行っていった。●血糖自己測定(SMBG)の活用方法を説明した。

③指導後の変化

●SMBGの結果から、ふり返りを行い、積極的に血糖コントロールに取り組んでいる。●職場にも糖尿病であること、インスリンを打っていることなど話している。●インスリン注射、SMBGも自身の生活の一部として受け入れ、疑問点は医療者に質問するようになった。

①患者のショックな気持ちを傾聴しながら、インスリン治療の必要性を説明していった。②インスリン、SMBGなどの手技を一つずつ習得していく中で、自信がつき疾患の受容にもつながった。③スタッフ間で患者情報を共有し、多職種で一貫性を持った援助ができた。④職場での理解が得られ、さらに適応の段階を進めたと思われる。⑤一見2型に見える症例の中に緩徐進行1型が含まれていることは珍しくなく、注意深い経過観察と抗GAD抗体による鑑別が必要である。

■文献
*渡辺伸明 飯田正人 川村修司 関孝一:インスリン非依存型糖尿病の発症様式を示した抗GAD抗体陽性糖尿病患者における抗体価の経時的低下.糖尿病,41:863-868,1998