Home>バックナンバー>2015春号TOP>施設紹介レポート

Q:先生が患者さんを診るときに、最も重視していることは何でしょうか。

大橋:私は血糖コントロールよりも、その患者さんがいかに積極的に生きているかという点を大事にしています。血糖値に振り回されてはいけません。例えば、痩せている患者さんが「私はHbA1c6.3%ですが、6%を切るにはどうしたらよいですか」と聞かれたら、私は「あなたは肥満していないのだから、HbA1cや血糖値に振り回されてはいけません」と答えます。患者さんが健康に暮らすために目標を設定しているだけで、その数字に振り回されてはいけません。ただし目標がないと、どんどん緩んでしまいますので、緩まないための目標であって、そのために生きるのではありません。

 そしてもう一つ、患者さんは医師(私)に依存せずに自立してほしいです。転居など、さまざまな理由でいつまでも私が診察するとは限りません。患者さん自身が自立して、自己管理ができるようになれば、おのずから血糖値も良くなります。これは、コメディカルにも言えることで、開業当初は手取り足取り全部教えました。しかし今では、私がいなくても自立して、自分たちで勉強し、治療の方向性は同じ方向を向いています。コメディカルも自立していかないと、患者への指導はできません。

図4 登録患者の平均BMI