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D-REPORT GUIDANCE

塩分を減らす工夫

玉木 悦子 たまき えつこ

管理栄養士
日本糖尿病療養指導士
神戸学院大学 栄養学部 客員教授

塩分の多いものを好む患者さんには、 どのようにして塩分を減らす工夫を指導すればよいでしょうか。

 食事は、特に栄養バランスを第一選択とは考えず、食べたいもの・経済的理由・仕事など、人それぞれの都合によって選択しています。また今までの食習慣により、自己判断が大きく左右されます。塩分制限など、自己管理の必要性を納得するには、現状の食生活で具体的な塩分量の認識から始めます。本人は、薄味を心がけていると豪語するも、関連資料で塩分量を確認すると、実際の1日の塩分量を把握していないこともあります。
 塩分を減らすには2つの方法があり、1つは減塩、もう1つは塩分の排泄(脱塩)を意識することです。日々の食生活で知らず知らずに摂りすぎる塩分は、例えば梅干を半分にすれば約1gの塩分を減らすことができます。汁物・漬物は1日に1回の食事にとどめたり、麺類のスープは全部飲まずに残すと約3g程度の減塩ができます。加工食品は塩分量を減らしにくい食材で塩分量も把握しにくいので、摂取頻度を減らし、Na量から塩分量を計算する(塩分量=Na×2.54)ことで減塩の認識を促します。日本高血圧学会が勧める1日の塩分摂取目標量が6g未満であることを考えると1gの意義はとても大事です。
 摂りすぎてしまった塩分を排泄させるカリウムは積極的に取りたい栄養素です。野菜・果物にはカリウムが多く含まれており、毎食野菜を摂取することも減塩につながります。