Home>バックナンバー>2016冬号TOP>症例から学ぶ

持続性エキセナチド(ビデュリオン®)治療により以下の3点が改善された

①重症低血糖発作リスク回避(

HbA1c 6.8%と良好な血糖コントロール状態で、単独の使用ではPG 70mg/dL以下を認めず、平均血糖や標準偏差も月ごとに改善

②陰性自覚症状の改善

長期的投与による体重減量で変形性膝関節症の疼痛改善と高血糖に伴う全身倦怠感・眠気の改善

③社会参加とセルフ・エフィカシーの向上

海外旅行や自主的なディサービス参加、リハビリの継続

● デバイスの問題

以前のシリンジタイプから注入器タイプへと、より使いやすく改良され、感染リスクも含め自己注射手技の難易度が改善された。なお、他社の後発デバイスにもコンパクトで使いやすく、併用薬の種類が多いものがあるので、今後、判明する各薬剤の特性により使い分けたい

● 腎機能障害者の投与に注意

透析患者を含む重度腎機能障害のある患者には禁忌。高齢者では脱水や下痢などから、腎機能への注意が常に必要である

● 原因不明の体重減少と皮膚硬結の遷延

理由は確定されていないが、食事摂取不良だけでは説明できない急速な体重減少3〜4kg/月や、皮膚硬結が長期間にわたり消退せず、投与を中止した症例が少数ながら存在する