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症例から学ぶ医療法人すこやか 高田中央病院(神奈川県)

持続性エキセナチドで
血糖コントロールのみならず
QOLが改善





荏原 太 えばら ふとし

医療法人すこやか
高田中央病院 院長

「フロリダで生まれた曾孫に会いたい」とみんなのサポートで85歳女性、人生はじめてのフロリダ旅行へ

【高齢者の糖尿病治療における課題】

 わが国における糖尿病患者のうち60歳以上の占める割合は78%と極めて高く、臨床医にとって高齢者の糖尿病治療は重要な課題である。
関節痛やフレイルにより運動療法が困難な高齢者では、加齢とともに血糖コントロールが困難となり、さらに認知機能障害や抑うつを合併すると自宅内に引きこもる傾向がある。
経口糖尿病治療薬の多剤処方やインスリン注射の手技習得が困難など、高齢者の糖尿病マネジメントは決して容易ではない。

 高齢者に見られる問題と状況を考慮した治療法の一つに、週1回投与のGLP-1製剤がある。エキセナチドにより、持続性の血糖コントロールのみならず、患者の高い満足度とQOLが得られた85歳の症例を提示する。