Home>バックナンバー>2016春号TOP>極める! くすりと療養指導

災害に備えて『対応マニュアル』を

 災害時、通信インフラが遮断されると、職員との連絡も取れなくなる。職員一人ひとりが自らの判断で行動しなければならない。当薬局では、ほとんどの職員がそれぞれの判断と努力で薬局にたどりつき、殺到する患者さんのために、休むことなく働いた。しかし、職員自身も被災者である。水や食料の確保も困難なうえ、交通機関のストップ、ガソリン不足のため一時間半かけて徒歩で通勤したり、薬局に泊まり込んだりして対応に当たった。水や食料の確保や、通勤について、職員同士が協力し、何とか困難を乗り越えることができた。
 医療機関や薬局は、災害時に役割を果たすことができるように、職員の行動など『対応マニュアル』を整備しておくことが必要だ。しかし、マニュアルを作ったことに満足し、その内容を理解していない状態では何の役にも立たない。いざというときに職員が的確に動けるよう、日ごろの災害訓練が大事である。
 東日本大震災から5年が過ぎたが、未だ困難な生活を送っている被災者の方も多い。当薬局では、薬の相談など被災者支援を継続している。

● 通信、交通インフラが遮断された際の、職員の行動指針

● 地域の医療機関との連携

● 各医療機関、医薬品卸売会社との連絡手段の確保

● 日ごろの災害訓練

● 災害時「対応マニュアル」の作成