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症例から学ぶ

野菜から食べる
「食べる順番療法」を早期に実践

梶山 静夫 かじやま しずお

梶山内科クリニック 院長
糖尿病専門医

今井 佐恵子 いまい さえこ

大阪府立大学教授
管理栄養士・農学博士
日本糖尿病療養指導士

糖尿病発症早期からの生活習慣介入が合併症の予防に重要である。当院では毎食野菜から食べる「食べる順番療法」を早期に実践してもらう。科学的根拠を示すことにより食事療法の継続率は98%と非常に高い。

 食事療法のみで治療を開始、患者と調理担当者である奥様に食事指導を実施した。食べる順番療法のパンフレット(図1)とグラフを配布し、同じエネルギー、糖質量の食事をとっても野菜から食べる場合と炭水化物から食べる場合では、食後血糖値や一日の血糖変動が大きく異なること、三角食べや早食いは効果がないことを説明した(図2)。また、炭水化物にはいも類、とうもろこし、かぼちゃなど糖質の多い野菜が含まれること、果物は野菜ではないことを強調した。初診時の指導が一番大事なので、この機会を逃さず正しい情報を提供し患者のモチベーションを高める。患者が理解できる言葉を使ってグラフを説明することが大切である。

A氏:妻と一緒に指導を受けたが、食べる順番によって血糖値がぜんぜん違うので、二人ともびっくりした。心を入れ替えてこれからは野菜から食べようと思った。