Home>バックナンバー>2015春号TOP>症例から学ぶ

②2回目の指導(2週間後)

  • 体重1.7Kg減で来院。
  • 食生活
    食事記録は『わかっているから』という理由で書いてこなかったため、2週間の食生活について聞き取った。
  • ・朝食(約250~400Kcal)
    食パン1枚,バナナ,牛乳(朝or昼)
  • ・昼食(約250~400Kcal)
    おにぎり1個(200g),ゆで野菜
  • ・夕食(約450Kcal)
    ご飯120gor食パン1枚,生野菜,おかず少量
  • ・就寝前プレーンヨーグルト
  • ・間食は一切やめた
  • ・空腹時はブラックコーヒーを飲む(3~4杯/日)
  • SMBG
    受診後数日は空腹時血糖値が150~160mg/dLだったが、その後110~120mg/dLとなっていた。食後の血糖値も110~120mg/dLという結果だった。

指導ポイント
受診後ただちに食生活の改善を行ったようで、極端に摂取エネルギー量、特に食品交換表の表1と表3が不足していた。A氏はとにかく食事を減らせば血糖値が下がると理解しているようで、かなり無理をしている様子がうかがえた。
継続できる食事療法が大切であり、適正なエネルギー量の食事を摂ることと栄養素の配分についての指導を行った。

③3回目の指導(1か月後)

  • 体重4.2Kg減で来院。
  • 食生活
    副食を摂取するようになっていたが、食品の選択にはまだかなり気を遣っている様子がみられた(妻も)。
  • 現在のA氏の状態や糖尿病の知識の確認を行った。
    『糖尿病は眼と腎臓、足に合併症が出るのがこわい』『発症時は飲み食いが多かったので糖尿病になったと思っている』『前医でも合併症の検査は行った』『眼と神経の合併症が少し出ている。血管壁が厚くなっている』

指導ポイント
一般的な糖尿病知識は持っている。自分の合併症についても存在の有無は理解しているが、なぜ起こったのかや、今後の進展についてはあいまいな理解である。特に動脈硬化については軽視していると思われた。3回のかかわりの中で、当院での指導を受け入れていると思われたので、今後は本人の糖尿病知識を確認しながら、疾患の基本や治療、合併症について指導を行っていくことにした。