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ナースの目(特別編)

患者さんの本音、知ってますか?
〜患者さんとのふれあいから糖尿病を学ぶ〜
第41回「糖尿病スタッフ教育研究会」編集部取材リポート

 2016年4月23日、24日、「糖尿病スタッフ教育研究会」が、上郷森の家(神奈川県)にて開催された。本研究会は、代表世話人 平尾節子先生(H.E.Cサイエンスクリニック/横浜市)のもと、“患者さんとのふれあいから学ぶ”を一貫したテーマに、今回で41回目、20周年を迎える。1泊2日の泊まり込みのセミナーで、患者さんの講演、グループディスカッション、患者疑似体験、特別講演、早朝ウォーキングなどが企画され、糖尿病に携わる医療者、約130人が参加した。

「インスリン注射なんて、大したことないわよ」

 5歳で1型糖尿病を発症したNさん(25歳)より、患者の立場から糖尿病療養についてお話しいただいた。

 インスリン指導の際、注射を怖がる当時5歳のNさんに、看護師は、「インスリン注射の針なんて、大したことないわよ」とベッドの手すりに針を当て、ぐにゃりと曲げて見せたそうだ。

 また、病院食は量が少なく、お腹を空かせて不憫だと言う両親に、「普通の量ですよ。大人もこれくらいにした方がいいんです」と、家庭での食生活を否定するかのように言われ、医療不信を募らせたという。
 医療スタッフにしてみれば、Nさん家族をサポートする意欲から出た言動だったのだろう。しかし、立場が代われば、受け取り方も異なる。医療スタッフの言葉に、深く傷つく患者がいることを、忘れてはならない。